はじめに
モニター売り場に並ぶ「4K」の文字。
値段は上がりますが、その分だけ良くなるのか、よく分からないですよね。
「4Kにすれば画面が広く使える」
そう思っている方が多いのですが、ここが最初のつまずきどころです。
この記事では、メーカーが公開している数値をもとに整理しました。
✔ 4Kで実際に変わること
✔ 27インチだと作業スペースがどうなるか
✔ 拡大表示の副作用
✔ 買う前にパソコン側で見るところ
✔ 必要な人・要らない人
先に結論:多くの人には要りません
身も蓋もないのですが、普通のパソコン作業なら4Kでなくても困りません。
| こんな人 | 判断 |
|---|---|
| ネット・書類・動画を見る | 要らない |
| 作業スペースを広くしたい | 要らない(WQHDで足りる) |
| 写真や動画を細かく見たい | 向いている |
| 文字をなるべく滑らかに見たい | 向いている |
| 4Kの映像作品を等倍で見たい | 向いている |
なぜこうなるのか。
そこが分かると、売り場で迷わなくなります。
4Kは「広くなる」のではなく「細かくなる」
4Kは3840×2160。
フルHD(1920×1080)のちょうど4倍の点の数です。
ただし画面の大きさは変わりません。
同じ面積に4倍の点を詰め込むので、1つ1つの点が小さくなります。
その結果、そのまま表示すると文字が小さすぎて読めません。
だから拡大表示(スケーリング)を使って、読める大きさに戻すことになります。
ここで、最初の「広く使える」という期待が崩れます。
27インチの4Kは、推奨設定だとWQHDと同じ大きさになります
EIZOが、自社の4Kモニターについて拡大率ごとに文字の大きさが何インチ相当になるかを公開しています。
27インチの4Kモデル(EV2785)を見ると、こうなっています。
- 拡大率 150%(Windows 10での推奨設定)… 27型2560×1440モニターと同等
2560×1440はWQHDと呼ばれる解像度です。
つまり27インチの4Kを推奨設定で使うと、文字の大きさは27インチのWQHDと同じになります。
画面のサイズが同じで、文字の大きさも同じ。
ということは、並べられるウィンドウの数も同じです。
作業スペースは、広がっていません。
では、何が変わるのか
変わるのはきめ細かさです。
同じ大きさの文字を、4倍の点で描くことになります。
だから輪郭のギザギザが目立たず、印刷物に近い見え方になります。
写真も同じです。
表示できる範囲は変わりませんが、細部がつぶれずに出ます。
ここに価値を感じるかどうかが、4Kを買うかどうかの分かれ目です。
逆に言えば、作業スペースを広げたいだけなら、WQHDのほうが安く確実に目的を果たせます。
サイズによって、必要な拡大率が変わります
同じ4Kでも、画面が大きいほど点は粗くなります。
大きい4Kほど、拡大しなくても読めるということです。
EIZOの数値を並べると、こうなります。
| サイズ(機種) | 細かさ | 推奨の拡大率 |
|---|---|---|
| 23.8型(CG248-4K) | 185ppi | 200% |
| 27型(EV2785) | 163ppi | 150% |
| 31.5型(EV3285) | 140ppi | 150% |
ppiは1インチあたりの点の数です。
数字が大きいほど細かく、そのぶん文字は小さくなります。
ちなみに、これまでの一般的なモニターは96ppiくらいです。
4Kはそこから大きく離れているのが分かると思います。
31.5型なら、拡大しなくても使えます
31.5型の4K(EV3285)は、拡大率100%のとき15.6型のフルHDノートPCと同じくらいの文字の大きさになります。
ノートPCの画面が読めている人なら、そのままでも使えるということです。
そして拡大していないので、3840×2160をまるごと使えます。
「4Kで作業スペースを広げる」が成立するのは、この大きさから先です。
ただし31.5型は、机の上でかなりの存在感になります。
奥行きが足りないと、近すぎて視線の移動が大きくなります。
拡大表示には副作用があります
ここはあまり語られませんが、知っておいたほうがいいところです。
EIZOは公式にこう書いています。
拡大率を100%より大きくすると、パソコン・モニター・アプリの組み合わせによっては、ぼやけることがある。
原因はアプリ側にあります。
高い解像度に対応していないアプリは、小さく描いた画面を引き伸ばすので、輪郭が甘くなります。
EIZOはアプリごとの対応状況をまとめた表まで公開しています。
それだけ、実際に起きる問題だということです。
新しいアプリはほぼ対応済みですが、古い業務ソフトや、長く使われているフリーソフトは注意が必要です。
「せっかく細かい画面を買ったのに、一部のアプリだけぼやける」
これが起こりうる、ということは知っておいてください。
「解像度をフルHDに落として使えばいい」は、うまくいきません
拡大表示が面倒なら、画面の設定でフルHDにしてしまえばいい。
そう思いつく方は多いと思います。
ただ、これはおすすめできません。
モニターは本来の解像度で表示するのがいちばんきれいで、それ以外にすると引き伸ばして表示することになります。
EIZOも「引き伸ばされるので、ぼやけた表示になる」と説明しています。
高いお金を出して細かい画面を買い、わざわざぼやけさせることになります。
文字を大きくしたいなら、解像度ではなく拡大率のほうを変えるのが正しい順番です。
👉 モニターの文字が小さい・目が疲れるときの設定|初心者向けに解説
パソコンへの負担も増えます
見落とされがちですが、4Kは描く点の数がフルHDの4倍です。
その分だけ、パソコンの仕事量も増えます。
書類やネットを見るぶんには気になりませんが、ゲームや動画編集では差が出ます。
ゲームを快適に動かしたいなら、4Kより解像度を抑えて動きの滑らかさを取るほうが体感は良くなります。
買う前に、パソコン側を確認してください
モニターだけ4Kにしても、パソコンが送り出せなければ意味がありません。
先に確認するのはパソコン側です。
端子の世代を見る
4Kを滑らかに表示するには、端子の世代が足りている必要があります。
- HDMI … 2.0以上
- DisplayPort … 1.2以上
世代が古いと、4Kは映るけれど動きがカクつくという状態になります。
画面の書き換え回数が足りていないためです。
端子の形は同じでも世代は違うので、見た目では分かりません。
パソコンの型番で仕様を調べるのが確実です。
👉 HDMIとDisplayPortの違い|どっちを使えばいい?初心者向けに解説
パソコン本体が対応しているか
EIZOは、自社の4Kモニターで表示を確認できたグラフィックスボードの一覧を公開しています。
わざわざ一覧を出しているということは、つなげば必ず映る、とは限らないということです。
特に古いノートPCは、4Kに対応していないことがあります。
買う前に、メーカーのサイトで型番の仕様を見てみてください。
まとめ
4Kモニターは、必要な人には確かに効きます。
ただ「広くなるから」という理由なら、買う前にもう一度考えてみてください。
- 4Kは広くなるのではなく、細かくなる
- 27インチだと推奨設定でWQHDと同じ大きさ。作業スペースは広がらない
- 広さが目的ならWQHDのほうが安く確実
- 拡大表示はアプリによってぼやけることがある
- 買う前にパソコン側の端子と対応を確認する
迷っているなら、27インチのWQHDがいちばん外しにくい選択だと思います。
サイズやパネルの選び方、具体的にどのあたりを買えばいいかは、こちらにまとめてあります。
👉 パソコンモニターの選び方|サイズ・解像度・パネルの違いを初心者向けに解説
写真や映像をしっかり見たくなったとき、そのときに4Kを考えれば十分間に合います。
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