はじめに
モバイルバッテリーを選ぼうとすると、こんな状態になりませんか。
- 5,000から20,000まで、容量の数字が多すぎる
- 「スマホ3回分」と書いてあるが、本当なのか分からない
- ノートパソコンも充電できるのか判断できない
見るのは容量とW数の2つだけです。
ただ、容量のほうには数字をそのまま信じてはいけない落とし穴があります。
そして2026年4月に、飛行機のルールが変わりました。
知らないと空港で困る内容なので、あわせて書いておきます。
この記事では
✔ 容量表記の落とし穴
✔ 用途別の容量の目安
✔ W数の見方
✔ 飛行機の新しいルール
✔ 買う前に見る安全表示
をまとめました。
表記の容量は、そのまま使えません
ここから知っておいてください。
10,000mAhと書かれたモバイルバッテリーから、実際に取り出せるのは6,000〜7,000mAh程度です。
だいたい6〜7割だと思ってください。
なぜ減るのか
電圧が違うからです。
バッテリーの中身は3.7V前後で電気をためています。
一方、USBで送り出すときは5Vに上げる必要があります。
この電圧を上げる作業でロスが出ます。
失われた分は熱になります。充電中に本体が温かくなるのは、これが理由です。
つまり不良品でも誇大広告でもなく、仕組み上そうなるということです。
「スマホ○回分」は目安として見る
最近は各社とも、ロスを見込んだ回数を書くようになってきました。
それでもスマホ側の電池容量によって回数は変わります。
お使いのスマホの電池容量を調べて、表記容量の7割で割ると近い数字が出ます。
容量はどれくらい必要?
| 容量 | できること | 向いている人 |
|---|---|---|
| 5,000mAh | スマホ1回弱 | とにかく軽く。お守り代わり |
| 10,000mAh | スマホ1〜2回 | いちばん無難。日帰りの外出 |
| 20,000mAh | スマホ3回前後 | 泊まりがけ、複数台を充電 |
| 20,000mAh以上+PD | ノートPCも充電できる | 外で作業する人 |
迷ったら10,000mAhです。
重さと容量のバランスがよく、価格もこなれています。
容量が増えるほど重く、大きくなります。
20,000mAhクラスは400g前後になるものもあり、毎日持ち歩くとかばんに効いてきます。
W数も見てください
容量が「どれだけためられるか」なら、W数は「どれだけ速く出せるか」です。
| 使うもの | 必要なW数の目安 |
|---|---|
| スマホ | 20W前後 |
| タブレット | 30W前後 |
| ノートパソコン | 45W以上 |
ノートパソコンを充電したいなら、PD対応で45W以上が最低ラインです。
必要なW数は機種によって違うので、純正の充電器の表示を確認してください。
👉 ノートPC用USB-C充電器の選び方|W数の見方とGaNの違い
見落としやすいのが「入力側」のW数
バッテリー自身を充電するときのW数です。
ここが小さいと、20,000mAhを満タンにするのに一晩かかることもあります。
商品ページの仕様欄に「入力」「Input」として書かれているので、そこも見ておくと後悔しません。
なお、60Wを超える出力を使うならケーブルも5A対応が必要です。
飛行機のルールが2026年4月に変わりました
ここは知らないと当日に困ります。
機内でのリチウム電池による火災が世界的に増えたことを受けて、国際民間航空機関(ICAO)の採択にもとづき、国土交通省が安全基準を改正しました。
日本航空をはじめ各社が2026年4月24日から新しいルールを適用しています。
変わったのはこの3点
- 機内に持ち込めるのは1人2個まで(160Wh以下のものに限る)
- 機内でモバイルバッテリーを充電しない
- 機内でモバイルバッテリーから他の機器へ充電しない
下の2つが特に大きな変更です。
飛行機の中では、モバイルバッテリーを使えなくなりました。
長時間のフライトでスマホの充電をあてにしていた方は、考え直す必要があります。
また、これは以前からのルールですが、預け入れ荷物に入れることは禁止です。容量に関係なく、必ず手荷物として持ち込みます。
自分のバッテリーが何Whか調べる
Whは本体に書かれていることが多いのですが、mAhしか書かれていない場合は計算できます。
mAh × 3.7 ÷ 1000 = Wh
| 容量 | おおよそのWh |
|---|---|
| 10,000mAh | 約37Wh |
| 20,000mAh | 約74Wh |
| 27,000mAh | 約100Wh |
市販の一般的なものは、ほぼ160Wh以内に収まります。
気をつけるのはキャンプ用などの大容量タイプのほうです。
なお日本航空の案内では、2027年1月以降は100Whに制限される可能性があるとされています。
これから大容量を買うなら、頭に入れておいたほうがよさそうです。
ルールは航空会社や路線によって細かく違います。搭乗前に、利用する航空会社の案内を必ず確認してください。
PSEマークを確認する
モバイルバッテリーは2019年2月から電気用品安全法の規制対象になりました。
それ以降、PSEマークのないものは日本国内で販売できません。
マークが見当たらない製品は避けてください。
ひとつ豆知識を。PSEマークには丸とひし形の2種類があります。
| マーク | 付くもの |
|---|---|
| ひし形 | ACアダプタ、充電器など(特定電気用品) |
| 丸 | モバイルバッテリーなど |
モバイルバッテリーに付くのは丸のほうです。
ひし形が付いていないからといって、不良品ということではありません。
購入リンク
ここまでの条件を満たす製品を2つ挙げます。
どちらもメーカーの仕様を確認したうえで選んでいます。
エレコム モバイルバッテリー 10000mAh 20W EC-C03BK

向いていそうな人
- スマホやタブレットが中心。日帰りの外出に1台ほしい
- USB-Aの機器も使う(イヤホン向けの低電流モードを搭載)
- 国内メーカーの安心感を重視したい(PSE適合、過充電など6つの保護機能)
気になる点
- 出力は合計20Wです。ノートパソコンの充電には使えません
- 2ポート同時に使うと、USB-C側を優先して残りがUSB-Aに回る形になります。合計20Wを分け合います
- 約233g。10,000mAhとしては軽い部類ではありません
- 付属ケーブルは0.1mと短いので、持ち歩き用には別に用意することになります
Anker Zolo Power Bank 20000mAh 45W(ケーブル一体型)

向いていそうな人
- ノートパソコンも充電したい(最大45W出力)
- ケーブルを別に持ち歩きたくない(約15cmの一体型)
- 残量を数字で確認したい(ディスプレイ搭載)
- 本体の充電も速いほうがいい(入力30W対応で約4時間)
気になる点
- 複数のポートを同時に使うと、合計15Wまでに下がります。ノートPCとスマホを同時に、という使い方はできません
- 約365g。毎日かばんに入れるには重いと感じるかもしれません
- 45Wなので、65W以上を必要とするノートパソコンには足りません。純正充電器の表示を先に確認してください
ちなみに容量は10,000mAhが37Wh、20,000mAhが74Whです。
どちらも100Wh以下なので、飛行機に持ち込める容量の条件は満たします(個数と機内での使用制限は別なので、前の章をご確認ください)。
価格は変動しますので、購入前に最新の値段を確認してみてください。
よくある疑問
充電しながら給電(パススルー)はできる?
対応している製品と、していない製品があります。
できると便利ですが、本体が熱を持ちやすくなります。
必要なら「パススルー対応」と明記されたものを選んでください。
使わないときは、満充電で置いておいていい?
リチウムイオン電池は、満タンのまま放置するのも、空のまま放置するのも苦手です。
長く使わないなら、半分くらい残した状態で保管し、数か月に一度は充電しておくと安心です。
高温の車内に置きっぱなしにするのも避けてください。
何年くらい使える?
使い方によりますが、数年で目に見えて容量が落ちます。
膨らんできた、極端に熱を持つ、すぐ空になる。
こうした変化が出たら、使い続けずに買い替えてください。膨らんだものは特に危険です。
まとめ
- 表記容量の6〜7割が実際に使える量
- 迷ったら10,000mAh。ノートPCなら20,000mAh以上+PD 45W以上
- 出力だけでなく入力のW数も見る
- 飛行機は1人2個まで・機内では使えない・預け入れ禁止
- PSEマーク(丸)があるか確認する
覚えて帰っていただきたいのは、容量の数字はそのまま使えないという一点です。
「10,000mAhならスマホ3回」と思って買うと、確実に物足りなく感じます。
7割で計算しておけば、想定どおりに使えるはずです。
関連記事
👉 ノートPC用USB-C充電器の選び方|W数の見方とGaNの違いを解説
👉 USBケーブルの選び方|W数と転送速度の見方を初心者向けに解説


コメント